人が鳥を撃ち落とす事が出来るようになった時、それを見つけ出し、持ち帰るのに犬が使われるようになりました。
そうした犬は回収犬と見なされ、回収のためにふさわしい犬が選択繁殖によって、19世紀の初めに大きく黒い犬がイギリスに誕生しました。
大きいニューファンドランド、セター、シープドッグやスパニエル系のウォータードッグとの多様な犬種との混血で、純血種とは認められませんでした。
やがて登場したのは漁師にとってかけがえのない回収犬で、イギリスと北アメリカ大陸間の貿易の産物 ー 事に19世紀のニューファンドランド沖で、タラ漁に使用する犬でした。
ラブラドール犬という名が用いられだしたのはこの時期で、この地域の多数の異なる犬に適用されました。
これらの犬は、セントジョーンズ種、ニューファンドランドの血を引き、小さなラブラドール、レッサー・ニューファンドランド又はセントジョーンズ・ニューファンドランドと呼ばれ、ウェイビーコートのレトリバー(その後フラットコート)のために貢献しましたが、祖先にイギリス系統を持っていなければなりませんでした。
彼らは現代のラブラドールとは、被毛もサイズも構造も異なるため、混同を避けなければなりません。
最初のイギリスのドッグショーは1859年に開催されましたが、レトリバーの分類はカーリー・コートが含まれ、ウェイビー又はスムースコートは翌年まで通用しませんでした。
Wyndhamという名の犬が1860年のバーミンガムショーに初めて出陳され、センセーションを引き起こしました。
彼はウェイビーコート・レトリバーと名付けられ、水中での作業を非常に上手に行ったので、ウェイビーなコートは作業にはベストではないと考えられ、フラット・コートの名があとでできたのです。
Wyndham以前にも多くいたのは確実で、彼のタイプはただ一つだったというのは信じがたいのですが、実験的なブリーディングが数代にわたり行われたようです。
ゴードンセター及びアイリッシュセターが後に使われ、かつてより優雅でヘビイな構成が少なくなり、今日この犬種の特徴の一つであるコートクオリティが、細くフラットなきめになりました。
1864年から狩場番人のJ. Hullに所属する血統の2頭のメスが入賞しました。
1頭は牝のBossの子のOld BounceとBlaydon所有のBlack Sai-lorとの子で、もう1頭のYoung BounceはCattock氏のCatoとBossの娘との子です。
この犬種の発展に重要な核を作り出したのはこの系統です。
ケンネルクラブ(KC)の創立者の1人で1873~1899年の会長のS. E. Shirleyはこの犬種に興味を持ち繁殖、出陳し、功績を上げました。
その後この犬種は流行し、多数のブリーダーがその優れた作業能力と同じくフラットコートレトリバーのクオリティとエレガンスに貢献しました。
この犬種の最も著名なパトロン(支持者)はH. R. Cookeで70年もこの犬種を伝説的なRiversideケンネルで保持し、このケンネルはどんな犬種間においても、その後、クオリティ及び賞歴においておそらく無類でしょう。
レバー色のフラットコートはJ. H. AbbottのRustが1900年にレトリバー・ソサエティのオフィシャル・フィールドトライアルで勝った後によりポピュラーになりました。
彼の勝利によりこの色がついに容認する価値があると考慮されました。
フラットコートは1915年にAKC(アメリカンケンネルクラブ)に登録を認められました。
この犬種の人気は1918年にはラブラドールレトリバーに追いつかれ、1920年代の終わりまでにはゴールデンレトリバーにも抜かれました。
当時の2回の世界大戦中は危険なレベルまで減少しましたが、フラットコートをすべてのガンドッグの中で最も素晴らしいとみなす猟番人、多くの人々の努力によって保持されました。
大戦後、この犬種の最大のオーソリティの1人であるS. O. Neillはこの犬種を出来る限り健全な歩行に近づけるのと、新しい支持者に正しいタイプをアドバイスするのに無欲の献身を示しました。
1960年代まで続けられイギリスでの増加と流行が起きました。
そして、この犬種への要望がヨーロッパ及びアメリカで現れました。
イギリスで1923年にクラブが結成された以後、この犬種は回復し、メジャーショーでの増加が見られて1977年のクラフト展ではちょうど100頭が出陳しました。
アメリカでのピアレンツクラブは、アメリカ・フラットコーテッドレトリバー・ソサエティといい、このメンバー達は極めて熱心で、この犬種に最大の関心を持ち続けています。
人気が落ちた事によりこの犬種は職業的繁殖家の手を離れ、生まれつきの能力である優れた作業能力を保つのに興味を持つ人々のコントロール下でフラットコートは維持し続けました。
参考資料 「スタンダード解説(FCI KC AKC)」 発行 プロモーションニューズ
「犬の辞典」 原著 アメリカン・ケンネルクラブ
翻訳 発行 (株)ディーエイチシー